王地山陶器所 復興、そして未来へ

80(2016.12.14)

1今回は「王地山陶器所 復興、そして未来へ」をご紹介させていただきます。2016930()1012()の期間中、京都陶磁器会館2Fギャラリーにて開催しておりました、この展覧会は兵庫県篠山市にあります、王地山焼をご紹介させていただく展覧会でした。

王地山焼と京焼との関係としては、かつて篠山藩の藩窯として開窯された王地山焼でしたが開窯にあたり、三田藩の藩窯で指導していた、京都の名匠欽古堂亀祐(きんこどうかめすけ)を講師として呼び、その発展に大きく影響を与えました。

 

2しかし、明治に入り廃藩が進む中で、篠山藩は解体、藩窯であった王地山焼も途絶えてしまいました。現在の王地山焼は廃窯から100年以上たった1988年に同じ王地山山麓に復興されました。当時の文献や作品を参考に、型を使った作品をリバイバル商品として制作する一方で、窯元に務める職人が独自の作品を制作して来ました。

藩窯として活躍していた頃の青磁の作品を意識し、緑がかった青磁が特徴の王子山焼を忠実に再現した作品はどれも品があり美しい作品となっております。

 

 

 

3王地山陶器所では、現在、竹内さんと児玉さんが制作されており、窯の作品の他に、個人の作家としての作品も制作されており、竹内さんの作品は、青磁釉と鎬を使った作品が目を引きます。鎬のエッジを途中で変え、深くなったところに釉薬が多く溜まることで色の濃淡が生まれ模様が浮き上がってきます。

 

 他にも様々な青磁を使った作品が並んでおり、京焼とはまた違った作品ではありますが、どこか京都の焼き物を感じさせる雰囲気を持った展覧会となっておりました。

4歴史的に様々な場所へ影響を及ぼしていた京焼。各地へ伝播した京焼の技術や思いを新たに見つめ直すことで、現在の京焼は新たなステージへ登ることができるのではないでしょうか。

 京都陶磁器会館では、革新的な京焼と伝統的な京焼を、展示しております。是非お越しください。

PDFデータダウンロードはこちら