市岡和憲 陶展 ~喫茶道具に出会う~

2017.10.15 更新

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市岡さんは極めて高いロクロ成形の技術で喫茶道具を制作されます。

その中でもとりわけ急須は、小さいパーツの接合やバランスなど難しい点が多い道具です。

市岡さんの急須を見ると、その精緻な仕事から、幕末の京焼三大名工といわれる青木木米の仕事を思い起こします。

磁器の極めて薄い急須を、ロクロで挽くことができる陶工は、今となっては稀有な存在です。

市岡さんは「家にあると、心が豊かになる」そんな作品を目指しながら毎日作陶されています。

本展では、今様喫茶道具を展覧いたします。皆様と喫茶道具のこころ豊かな出会いを願います。

 

 

〈 市岡和憲 陶歴 〉

 

1989 村田亀水に師事する

1996 独立 現在に至る

2007 技術参考作品(急須)を京都市が買い上げる

2010 第39回日本伝統工芸近畿展(急須)入選

             以降、第40・41・44回展入選

2012 第26回日本煎茶工芸展入選

2013 単室薪窯築窯

2015 第62回日本伝統工芸展(急須)入選

森里龍生 陶展 ~染付とその先~

2017.10.15 更新

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森里さんは染付の花と、奥深い色調の釉薬との調和が美しい器を制作されています。その作風に最近新たな技法が加わりました。

それは撥水剤で釉薬をはじくことで文様を描く技法で、器の外側に施されるものです。

描かれた文様は表面張力で立体的になり、その質感は、皮に漆を施す「印伝」に似た魅力があります。

この技法は、染付とは関係の無いように思いますが、撥水剤で文様を描く工程には、染付で祥瑞を描いていた経験が活きているそうです。

本展では、この新技法のシリーズをメインに食器・酒器・茶道具などを展覧いたします。

魅力的なお仕事を、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。

 

 

 

〈 森里龍生 陶歴 〉

 

1963 森里忠男(走泥社)の長男として生まれる。

1984 京都府立陶工専門校 成形科修了

1985 専攻科修了

   日展会員 故加藤巌先生に師事 染付磁器を作陶 

1993 龍紘窯を命名

   以降個展、グループ展を中心に活動

2003 土と石[+][-] 森里龍生展[個展]

   京都高島屋美術部 美術工芸サロン‘06‘08‘11‘13年開催

2004 森里龍生作陶展

   ギャラリー杉・秋田

2007 染付 森里龍生展

   ぎゃらりいおくむら・東京

2015 森里龍生作陶展

   京都高島屋美術部 美術工芸サロン‘17開催

 

「黒彩小紋椿水指」  

「黒彩小紋椿抹茶盌」2017年

第59回京都色絵陶芸展

2017.10.15 更新

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今年も本会館が色絵一色に染まります。毎年好評の「京都色絵陶芸展」を開催いたします。

1階会場は、審査により選ばれた作品展示と、人気の立命館茶道部による呈茶席を設けます。

ここでは自分の好きな抹茶盌を選んで、その盌で抹茶をお召し上がりいただけます。

 

2階会場は、「酒器」をテーマに各々が趣向を凝らした逸品が並びます。

ちょうど東山も錦に色付くころ、色絵の錦に包まれてはいかがでしょうか。

 

<京都色絵陶芸協同組合の歩み>

1945年 高度な色絵技術、幅広いデザインを要求される中、組合発足

1958年 第1回上絵陶芸展を京都府ギャラリーにて開催

1960年 この年より陶芸展をコンクール形式で開催

    技術、デザインを競い合い、レベルの向上を図る展覧会として今日まで継承されている

1995年 組合創立50周年記念「上絵陶芸展」を京都府文化博物館にて開催

     これを機に技能者グループ・色絵デザイナーとして

    「京のやきもの色絵の創造展」を全国のデパートにて開催

2011年 「京都色絵陶芸展」をこの年より京都陶磁器会館にて開催

    呈茶席や和菓子とのコラボなど、新しい趣向を凝らした取り組みを開始

2015年 創立70周年を迎え、新たな色絵の世界を創造するべく、組合員一同研鑽をつんで今に至る

 

主催 一般財団法人京都陶磁器協会  京都色絵陶芸協同組合

後援 京都府 京都市 京都商工会議所 京都新聞

   京都陶磁器協同組合連合会 京都陶磁器卸商業協同組合

協力 立命館大学茶道研究部

   大谷園茶舗

京都きものパスポート2017~2018 協賛事業

丹下裕史・郁 陶展 ~静かな叙情詩~

2017.10.15 更新

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 丹下夫妻の作品はどちらも静かなたたずまいの中に深い叙情性を感じます。

柔らかな肌合いの青白磁でシンプルな造形のオブジェを制作する、裕史さん。      

綿密な計算のもと、薄く成形された磁器が焼成途中で変形することによって生まれる造形は独特の存在感を孕みます。

 

淡い色彩をまとった器や可愛らしい造形を制作する郁さん。

葉を押し付けることによって施された独自の下絵が、釉薬の内側から豊かな色彩を醸し出します。

本展では、裕史さんのオブジェと、郁さんの器・干支や動物の置物などを展覧いたします。

 

暦の上では冬にさしかかる折、お二人の紡ぎだす「静かな叙事詩」に包まれてはいかがでしょうか。

 

〈 丹下 裕史 陶歴 〉

1991 京都市立芸術大学大学院美術研究科陶磁器修了

1987 朝日陶芸展 朝日陶芸奨励賞

1999 朝日現代クラフト展 奨励賞

          京都工芸美術作家協会展 協会奨励賞

2010 京都工芸美術作家協会展 協会奨励賞

 

〈 丹下 郁 陶歴 〉

1993  京都市立芸術大学大学院美術研究科陶磁器修了

1991  朝日陶芸展 朝日陶芸秀作賞(’93)

          朝日現代クラフト展(’94、’95、’96、’00) 

2007 京都美術工芸新鋭選抜展(審査員推奨作品 )

2016 伊丹国際クラフト展

わん・碗・ONE展~次代を担う若者の作品展~

2017.09.18 更新

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「わん・碗・ONE展」は五条坂・茶わん坂周辺の陶磁器関係者が一つになって地域活性化を目的に開催されており、

ここ京都陶磁器会館はそれに協賛・参加し「わん・碗・ONE展~次代を担う若者の作品展~」を開催しています。

この展覧会は京都の8つの学校・教育機関である京都嵯峨芸術大学・京都市産業技術研究所・京都市立芸術大学・京都精華大学・京都造形芸術大学・京都伝統工芸大学校・京都美術工芸大学・京都府立陶工高等技術専門校の生徒さんが参加される展覧会です。

 

本年で6回目を迎える、本展覧会です。若手の力あふれる作品を御覧ください。

堀尾泰彦陶展~鼈甲釉の奥ゆき~ 

2017.09.18 更新

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堀尾泰彦氏は豊かな表情の鉄釉、特に鼈甲釉が魅力的な作家である。

陶磁器の発展の歴史の裏には、しばしば「似せる」という錬金術的な意思があったと指摘されている。

例えば、青磁は玉の質感を目指したという説が強い。鼈甲釉もその類かもしれない。「似せる」行為は模倣のようで、実はとても創造的な行為である。

なぜなら、本物以上の魅力を与えなければ、その意味を成さないからである。

堀尾氏の鼈甲釉は、数ミリメートルの釉の厚みの中に深い奥ゆきを感じる。彼はこの数ミリメートルの宇宙に何を見出し、どこを目指すのか。

 

本展では、鼈甲釉を中心に油滴やその他の鉄釉を施した、茶道具や花器、水滴、食の器などを展覧いたします。

お気に入りの一品を見つけて頂ければ幸いです。

 

〈 堀尾泰彦 陶歴 〉

1959 京都東山五条に三代目堀尾竹荘の次男として生まれる

1982 京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業 卒業制作大学買い上げ

1984 同大学大学院修了

 

   京都府工芸美術展・京展・中日国際陶芸展・陶芸ビエンナーレ・国際陶芸展美濃・京都工芸ビエンナーレに入選。

   京都・大阪・岡山・横浜・日本橋高島屋にて個展・二人展を開催。その他各地で個展グループ展多数。

   NHK岩ヶ谷陶芸教室 講師

 

五嶋竜也陶展 ~秀麗なる磁の造形~

2017.09.16 更新

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 「研ぎ澄まされた」、ろくろで挽いた形からカンナなどで削り出され研ぎあげられた造形は、まさにそう形容されるべき逸品である。

 五嶋竜也は生まれ故郷である熊本の磁土、「天草陶石」を用いた白磁や青白磁の作家である。ろくろ成形や削り出しの作業は立体的な作業であるが、実は表面的な仕事になってしまう傾向を孕んでいる。「作陶の中で最も重要視しているのは造形で、表面的な仕事にならないように心掛けている。」と彼は語る。

 本展では削り出しによる白磁香炉をはじめ、鉢や花入れ、茶道具に日常つかいの器まで、様々な作品を展覧いたします。

 彼の探求する秀麗なる造形と、天草陶石の美しい肌合いの競演をお楽しみ下さい。

 

〈 五嶋竜也 陶歴 〉

1980 熊本県に生まれる

2001 佐賀県立有田窯業大学校卒業

     現在地にて独立

2005 西日本陶芸展入選

2007 第53回日本伝統工芸展入選

   (以降、第56・57・61・62・       

    63回入選

   西部伝統工芸展入選

   第2回菊池ビエンナーレ入選

2009 西部伝統工芸展

    鶴屋百貨店賞受賞

2015 西部伝統工芸展

    奨励賞受賞

   日本伝統工芸会正会員に認定   

張 義明 陶展  ~ 天空 ~   

2017.09.16 更新

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張義明さんはとっても明るくて楽しい方です。そしてとってもおしゃべりが上手。

彼の周りにはいつも楽しい人の輪ができます。 彼は「命」をテーマに作陶をしておられますが、彼の作品もそのお人柄が反映していて、明るくて、とっても快活。

楽しいおしゃべりが聞こえそうな作品です。 今回は「天空」をテーマに、カラフルな色と躍動する形が素敵なオブジェが並びます。

「国境のない空を自由に吹きぬける風・照らす光のように、言葉・文化の垣根を越えた五感で、大地の土から生まれた陶の静寂の中にある生命の息づかいを感じて頂きたい。」

と作品への思いを語られる張さん。

台湾と日本を自由に飛び回る、国際的な活躍を現在もされていますが、これからももっと大きな人の輪を作って、世界の人々に楽しい希望を振りまいていただきたいと思います。

 

 

張 義明

1967 台湾 台北に生まれる

2001 和歌山大学大学院美術教育陶芸専攻修了

2006 大阪工芸展クラフト部門受賞(大阪) 個展 新北市鶯歌陶瓷博物館(台湾)

2007 個展 国立台北芸術大学關渡美術館(台湾)

2009 日本陶芸展入選(東京) 神戸ビエンナーレ現代陶芸展奨励賞受賞(神戸)

2012 京展 市長賞受賞(京都) 2014 現在形の陶芸萩大賞入選(以前より複数回)(山口)

2016 台日藝術交流展(台湾・台北 長流美術館) 第5回都美セレクショングループ展

   東京都美術館(東京)

2017 京都工芸美術作家協会展 協会奨励賞受賞(京都) 収蔵 

             新北市立鶯歌陶瓷博物館(台湾) 京都工芸美術作家協会 創工会 会員

ひろすえたかこ陶展  circle

2017.08.28 更新

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白をベースにカラフルな色が躍るひろすえの作品。小鳥、雲限りなく透明なブルーやエメラルドの色…

少女が持つ不思議の世界がそのまま具現化したように思う作品だ。

今回の新作も、私には深い森の中に迷い込んで見つけた、秘密の場所にいる鳥に見えた。

ひろすえの作品を見ると、まるでシンデレラが魔法使いから幸せをもらうような心の底にある懐かしいときめきを思い出す。

 

でも、ひろすえたかこが作品作りで考えているのは、宇宙との繋がりや法則。

なぜ回るのだとか、なぜ丸いのだとか考えると、地球の自転や惑星の軌道も回っていて、回るとは効率がいいのかなとか考えたり、

粒々の釉薬もなぜ丸くなる?重力?自転?と丸いものに非常に興味があるのだそうだ。

 

ろくろ盤も太陽系に最近見えてきて困ると笑う、ひろすえ。自分が生きている毎日で感じるイメージや出会いと、そういった宇宙との法則、

周期を重ねるとどうなるのだろうと日夜、形を考えているのだそうだ。

 

不思議な感性のひろすえたかこ。

 

そう思うのはもしかしたら、宇宙の法則とひろすえたかこの魔法にかかってしまったせいかもしれない。

 

 

<陶歴>

2010  「景色を食べる」日菓×うつわhaku(京都)

2011  アートフェア京都ホテルモントレ京都 客室展示(京都)

             アサヒビール大山崎山荘美術館「大茶会」日菓×うつわhaku(京都)

2013 MAISON DʼART gallery 「月をめでる」makomo×うつわhaku(大阪)

2014 MAISON DʼART gallery 「現代美術作家5人展」(大阪)

     URBAN RESEARCH 京都店 5周年記念 企画展(京都)

2016 「神保町いちのいち 池袋店」春のフェア「彩る」池袋西武本店(東京)、

    西宮阪急「街でみつけた素敵なお店と個性派雑貨特集」(兵庫)

2017 京都岡崎 蔦屋書店にて展示・販売

現在  11月に開催予定の宇宙に関する茶会のための茶碗の制作途中

吉村尚子陶展 「生きていくもの」  

2017.08.28 更新

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赤土でつくった動物の顔に、色とりどりの色が塗られ、まるで南米のマヤやアステカの祭祀の道具のようである、これが吉村尚子の作品を最初に見た際の感想である。


少し毒を含んだ可愛らしさと生命感あふれるその造形は、素朴ながらも今にも動きそうな力を宿した動物たち。

大地に根差したような力あふれる形が、吉村の大きな魅力である。

どの作品からも、彼女が無我夢中で作り上げた手の跡や、筆の跡など制作の軌跡が感じられ、一緒に土を練り上げているような気持にとらわれる。童心に帰り、作品を愉しみたい。

 

1980  三重県伊賀市生まれ

2005  大阪芸術大学 修士課程造形表現修了

2007  伊賀市に工房を作る

2008  「吉村尚子 陶展」 

-流動する線-(伊賀) 

2009  「女流陶芸3人展」出店(滋賀)

2010  LIFE STAGE Piare「陶器銅器展(二人展)」出展(神戸) 

2011  KOBO GallerySimple Cup展」 (シアトル2011/2012  

        やきものマルシェ 阪急うめだ本店 

        naomitu studio(大阪)

2015  大丸京都 アートサロン 

        ESPACE KYOTO 吉村尚子・濵田光紀 作陶展(京都) 

        紅椿それいゆ 

        吉村尚子展 個展「Tales of clay」(京都/2013/2014/2015  

2016       Gallery佑 尾花友久・吉村尚子・濵田光紀 陶展(名古屋)