辻 勘之展 練り込みの器

2016.05.20 更新

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辻 勘之展  練り込みの器

 

 

白い土、赤い土、織りなす模様

八十路のわざくれの詩

 

練り込みという技法は、色の違う粘土を練り合わせて模様を作る技法です。

例えるなら、マーブルケーキを思い浮かべていただくと良いかと思います。

ケーキは焼くと膨らんでよいのですが、焼き物は焼くと収縮するので、粘土を上手に合わせないと隙間ができ失敗してしまいます。

辻寛之氏はこの技法を巧みに使い独自の作品を作っておられます。

年度の優しい風合いを活かした手作りの器。八十路のわざくれの詩…

是非、お楽しみください。

 

 

会期:2016年5月20日(金) ~ 5月25日(水)

会場:京都陶磁器会館1階展示場

時間:AM9:30 ~ PM5:00

藤岡光一展 ESPERANZA

2016.04.29 更新

藤岡光一 画像1

藤岡光一展 ESPERANZA

藤岡光一氏は、独立独歩わが道を行く「作り手」です。焼き物の家に生まれたわけでも、造形系の学校を出たわけでもなく、師も持たず、独学でここまで歩んでこられた彼の、陶芸にかける熱い思いは、お話を伺うとひしひしと感じます。

藤岡氏の作品をはじめて拝見したとき、目に飛び込んできたのは「迸(ほとばし)る色」でした。暗闇の中で煌めくような色が印象的な黒のkimonoシリーズ、光のシャワーのようなさわやかな練りこみの作品。迸(ほとばし)る色を、彼独特の重力を意識したフォルムが、空間を包むように切り取ります。

器を「造形作品」と考えて制作をしているという藤岡氏。人に心地良く、常に新しい「焼き物の可能性」を追求し続けておられます。彼の「器が人の生活を快適にする」という強い思いが、いろいろな受賞につながっていると思います。

“ESPERANZA”はスペイン語で希望という意味ですが、藤岡氏の存在はきっと焼き物の新しい希望となってくれることでしょう。

是非、ご高覧をお願いいたします。

 

藤岡光一 略歴

1976生まれ

2003年独学で陶芸を始める

公募展受賞歴
2008朝日陶芸展 入選

2011めし碗グランプリ展 グランプリ受賞
2013日本クラフト展 奨励賞受賞
2014テーブルウェアーフェスティバル 最優秀賞受賞
2015日本陶芸展入選 陶美展入選
常滑陶業展 長三賞受賞

現在日本クラフト協会 正会員

 

工房住所

🏣671-1143

兵庫県姫路市大津区天満 277-9

藤岡光一

森里龍生 展

2016.02.26 更新

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生き生きとした椿やブドウ、桜…。森里龍生氏の作品からは、草花の伸び行く「命の音」が聞こえてくるような、そんな気がする。深い染付のブルーや、情熱的な辰砂の赤、漆黒の黒など、植物の、生きている証のような色彩の揺らぎが、作品の魅力だと思う。

はんなりとした森里氏の呉須による作品は、いわゆる「ダミ」と呼ばれる地塗りの技術が使われている。まず素地がまだ柔らかいうちに「毛彫り」と呼ばれる、細い針金を用いて細い線で写生をするように植物の輪郭を描き、その後、毛彫りの線の中を呉須で地塗りする “ダミ”の技法とそれを薄めて使うぼかしの技法で作品は彩られる。

そのため、彼の作品には同じ雰囲気のものはあっても、全く同じものは存在しない。すべてonly one。そこがまた、森里氏の作品の大きな魅力である。

今回の展覧会は、初めて森里氏が生まれ育った五条の地での開催となる。五条坂・茶わん坂ネットワーク主催のうつわ男子としても活躍されている森里氏だが、今まで、歴史ある窯元がひしめく清水焼発祥の地・五条での個展には二の足を踏んでこられた。京都陶磁器会館では、普段から彼の作品を展示させていただいているが、洋の東西を問わず大変人気が高い。今回の展覧会はファンの熱烈な期待に応えての満を持しての登場である。

森里氏の「はじまりの音」。彼の魅力を存分にお楽しみいただきたいと願っている。

「井上雅子・柴田有希佳 二人展」

2015.05.01 更新

井上柴田 はがき2

一般財団法人京都陶磁器協会では「井上雅子・柴田有希佳 二人展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

嵐の前、湧き起こる黒雲に潜む龍…井上雅子の作品からは、そんな得体のしれないエネルギーを感じます。小さな作品の中に大きなモノトーンの世界が広がっており、そこに大胆な構図がうねっている、そんな大胆さを感じる作品です。

そしてその正反対の、静かな自然を描く柴田有希佳。静寂の白磁の上に広がっていく、ほとばしる色。鮮やかな命の色たたずまい。静かに自然を見つめる表現者の視線を感じます。

静と動、まるで正反対の二人が、同じ空間の中でそれぞれの世界を繰り広げます。二人のこころに中に広がる彩の世界は、無限に広がっていくように思います。

二人のほとばしる「こころの彩」を、是非ご高覧ください。

 

「福島武山一門展」

2015.04.03 更新

ちらし表

一般財団法人京都陶磁器協会では「福島武山一門展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

350年余の歴史を誇る九谷焼の伝統を継承しつつ、常に新たな創造を目指している九谷赤絵細描の巨匠福島武山先生。京都陶磁器会館では春のビックイベントとして福島先生御一門の展覧会を開催させていただきます。

「赤絵細描」とは、九谷三大技法のひとつで、白磁の上に極細の筆を使用し、髪の毛よりも細い赤い線を描きつめ、文様意匠を作り上げていく超絶技巧です。福島武山先生は、途絶えていた赤絵細描を独学で習得し、現代に甦らせた第一人者として、2004年に指定無形文化財保持者となられ、後進の指導にも力を入れておられます。古典的な鳳凰・龍・唐子や山水などの絵柄から、幾何学文様や網手を進化させた現代的な文様まで、優美で気品にあふれ人の目をとらえて離さない存在感はいずれも「福島赤絵」にのみ表現しうる魅力です。そして「福島赤絵」の魅力を若い感性でそれぞれに花咲かせている門下生のみなさん。女性らしいたおやかさと大胆さは、見る人をひきつけてやみません。

春爛漫の京都・五条坂で九谷焼の花を心行くまで、お楽しみください。

「ツノとリボン:岡本マリ展」

2015.03.13 更新

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一般財団法人京都陶磁器協会では「ツノとリボン:岡本マリ展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

 

岡本マリ   陶芸という分野で、「リボン」というモチーフをメインに制作。「忘れない幼い頃の記憶」をテーマとする。そのきおくをたどっていくこと。

そして、それはいつも知らないうちに頭の中にいて、今の私とつながっている。

今回の展覧会では、メインモチーフの「リボン」と、新たに「ツノ」シリーズを発表。

動物たちがもつツノではなく、人のツノ。人にツノはないが、きっとあるのだとおもう。内面にもつ、目には見えない、見えないほうがよいかもしれない何かが大きく育った。

新作の大きな「ツノ」作品を、ぜひご高覧頂けましたら幸いです。     岡本マリ

 

岡本マリさんの独特の表現は可愛らしくもあり、どこからか力強さも感じられる。そんな作品となっております。是非、京都陶磁器会館へお越しいただき、直にご覧ください。

「田中 太郎 陶展」

2015.02.27 更新

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一般財団法人京都陶磁器協会では「田中太郎 陶展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

この展覧会は、京都精華大学院に所属されている田中太郎さんの初個展となります。

田中太郎さんは、多くのグループ展を経て、今回、大学院卒業に合わせ、本格的な作家活動の第一歩として、この展覧会を開催することとなりました。田中さんは今回の展覧会のテーマとしてロボットや玩具、マンガのキャラクターなどの「不完全なもの」が持つ独特の魅力をテーマとした作品を製作されています。コミカルな作品の中から、不気味さや狂気といったものが垣間見え、なぜか目を離せない、引力のような魅力を持った作品です。

 

是非、京都陶磁器会館へお越しいただき、田中太郎さんの世界に触れてください。

 

「叶道夫先生退官記念展覧会併催企画展 連なる」

2014.03.15 更新

3月15日(土)から3月30日(日)までの期間、京都陶磁器会館2階ギャラリーにて『叶道夫先生退官記念展覧会併催企画展 連なる』を開催いたします。

平成26年3月に定年退官される京都市立芸術大学 叶道夫先生のこれまでのご功績を記念し開催される退官記念展覧会に併せて、叶道夫先生にご指導いただいた卒業生・大学院生5名による展覧会を開催することとなりました。

今回展覧会をされる池田恵子・市野ちさと・竹本伊久美・佃七緒・野田綾の5名の作品や心の内には、叶先生の精神が受け継がれています。先生を中心として集まった作家たちが関わり合い、刺激し合い、また次へと繋げていきたいという思いで今回の展覧会の開催となりました。

 

京都陶磁器会館では2階ギャラリーを、積極的に創作活動をしている若手の作家さんに使ってもらうことで、現代の工芸を、国籍を超えて広く皆さまに知ってもらうことを目的としています。今後も現代の創造溢れる若き作家のみなさまの助けとなるべく展覧会を開催いたしますので、その折は是非、京都陶磁器会館へお越しくださいませ。事務局スタッフが心よりお待ちしております。

 

「叶先生退官記念 連なる」イベント案内

『女流陶五人展』

2013.10.11 更新

 2013年10月11日(金)から10月17日(木)までの期間、京都陶磁器会館1階ギャラリーにて、企画展「女流陶五人展」を開催いたします。

 

 入江裕紀・小関弘泉・坂田瑠璃・寺田嘉扇・堀岡洸匠の女性五名による展覧会となっており、古来よりある、清水焼の素晴らしいデザインと、新しいデザインを融合させた作品を制作されております。

今回の作家・窯元さんは、長年、絵付けと呼ばれる陶磁器に絵を描くことを生業とされており、匠の技術と呼べる筆使いや、5人による様々な魅力あるデザインの作品等、見るものを圧倒する作品展となっております。是非、この機会に京都陶磁器会館まで足をお運びいただき、その魅力に触れてください。

『マエストロ貴古』展

2012.06.29 更新

京都は祇園祭で盛り上がりを見せる季節に、財団法人京都陶磁器協会主催の企画展『マエストロ貴古』展を開催いたします。前回の企画展、展覧会とはまた違う雰囲気の『マエストロ貴古』展では、キラキラと可愛らしい作品たちがやってきます!

6月29日(金)から7月24日(火)までの期間、京都陶磁器会館1階にて『マエストロ貴古(きこ)』展を開催いたします。

今回、企画展を開催する「マエストロ貴古」さんはラスター彩を使った作品を主に制作されています。キラキラとした可愛らしい作品は、世代を問わずとくに若い女性に人気があります。

そんな、可愛らしい作品を作る「マエストロ貴古」は、陶芸家 四代目貴古さんと美術家 今橋裕子さんの共作・コラボレーション作品です。二人の感性が溶け合った作品は可愛らしいだけでなく、堂々とした凛々しさを感じさせる素晴らしい作品となっています。長年続く窯元の技術が作品の確固とした基礎を支え、新たな感性が作品を更なる次元へ昇華してくれているような気がします。

今回は、企画展ということで一階展示場での開催となりますので、休館日が(水曜・木曜)となっておりますので気を付けてお越しください。期間が1ヵ月と長期開催なので、是非いちど京都陶磁器会館へ足をお運びいただき、「マエストロ貴古」さんの作品を存分にご覧くださいませ。

『マエストロ貴古』展 (PDF)