藤岡光一展 ESPERANZA
藤岡光一氏は、独立独歩わが道を行く「作り手」です。焼き物の家に生まれたわけでも、造形系の学校を出たわけでもなく、師も持たず、独学でここまで歩んでこられた彼の、陶芸にかける熱い思いは、お話を伺うとひしひしと感じます。
藤岡氏の作品をはじめて拝見したとき、目に飛び込んできたのは「迸(ほとばし)る色」でした。暗闇の中で煌めくような色が印象的な黒のkimonoシリーズ、光のシャワーのようなさわやかな練りこみの作品。迸(ほとばし)る色を、彼独特の重力を意識したフォルムが、空間を包むように切り取ります。
器を「造形作品」と考えて制作をしているという藤岡氏。人に心地良く、常に新しい「焼き物の可能性」を追求し続けておられます。彼の「器が人の生活を快適にする」という強い思いが、いろいろな受賞につながっていると思います。
“ESPERANZA”はスペイン語で希望という意味ですが、藤岡氏の存在はきっと焼き物の新しい希望となってくれることでしょう。
是非、ご高覧をお願いいたします。
藤岡光一 略歴
1976生まれ
2003年独学で陶芸を始める
公募展受賞歴
2008朝日陶芸展 入選
2011めし碗グランプリ展 グランプリ受賞
2013日本クラフト展 奨励賞受賞
2014テーブルウェアーフェスティバル 最優秀賞受賞
2015日本陶芸展入選 陶美展入選
常滑陶業展 長三賞受賞
現在日本クラフト協会 正会員
工房住所
🏣671-1143
兵庫県姫路市大津区天満 277-9
藤岡光一
天野智恵美展 ~今日までの私 今日からの私~
京都で陶芸を始めて10年
私を育んでくれた京都で
今日までの私を
今日からの私を
作品に込めて。
これが作者御本人から寄せられた、展覧会への想いです。
木の実を思わせる優しいフォルム。華やかで繊細な搔き落し。柔らかな雰囲気の青磁。智恵美さんの作品はどの作品もふんわりと優しいイメージで、陶磁器というよりまるで草花と一緒にいるような印象があります。でも、決して簡単に作られた作品ではありません。作品を拝見すると、とてもデリケートに、細かいところまで計算し尽した、精密な作業の積み重ねであることがわかります。「作るのが遅くって…。」とご本人は言われますが、これだけ手の込んだ作品ならば、制作に時間がかかるのは当たり前だろうと思います。技と心を思い切り込めて作りだされる作品。これまでの10年で培ってきたもの、更なる進化を遂げてこの上に積み重ねていくもの・・・。これからの智恵美さんの作品を楽しみにご覧ください。
天野智恵美 略歴
1987 神奈川県生まれ
2009 京都工芸伝統大学校卒業
波佐見焼窯元にて絵付師勤務
2010 京都にて制作
2015 ルーサイトギャラリー(東京)個展
<コンペディション>
2009 第49回日本クラフト展入選
2014 陶ISMコンペディション グランプリ
日吉開窯100周年記念コンペディション グランプリ
天野智恵美 E-Mail potter.chiemi@gmail.com
カリン・プッチュ・グラッスィ Kyoto-Firenze Twining
カリン・プッチュ・グラッスィさんはイタリア・フィレンツェ在住のドイツ人陶芸家です。CUT&STRECHという彼女独自の技法を用いて、優しくおおらかな作品を制作、世界中で発表をしておられ、京都と姉妹都市であるフィレンツェから来日されます。
姉妹都市とはいえ、全く異なる歴史や文化、自然環境の京都とフィレンツェ。しかし、人のこころや、美に対する意識の根底に流れている人間としての想いは、理解し合うことができ、友情を育むことができます。カリンさんがイタリアで制作した作品と、日本で制作した作品を一堂に展示し、国境や文化の違いを超えて、一緒に美に向かって進む…そんな心の通い合いを形にした展覧会です。春の訪れとともに、おおらかなカリンさんが、京都へ新しい風を吹き込んでくれます。是非、ご高覧ください。
カリン・プッチュ・グラッスィ 略歴
1986 フィレンツェ美術大学陶芸科卒業
1990 ロンドンゴールドスミス大学陶芸科卒業
2012 BACKSTEIN-terracotta(ドイツ)
Rassegna国際現代陶芸展 第一席 (イタリア)
ファエンツァ“I Rakuriosi” 第一席 (イタリア)
Lark Crafts(Ed.), The Best of 500 Ceramics(ニューヨーク&ロンドン)
2013 Arte Ceramica oggi in Italia(ミラノ)
2014 Keramik Europas(ドイツ)
2015 第3回Ceramics UNICUM2015国際トリエンナーレ(スロベニア)
Ceramic Monthly“From Idea to Finished Form”掲載
4月3日(日曜日) 午後2時より カリンさんを囲んでのワークショップ
“Kyoto-Firenze Twining”
開催予定
生き生きとした椿やブドウ、桜…。森里龍生氏の作品からは、草花の伸び行く「命の音」が聞こえてくるような、そんな気がする。深い染付のブルーや、情熱的な辰砂の赤、漆黒の黒など、植物の、生きている証のような色彩の揺らぎが、作品の魅力だと思う。
はんなりとした森里氏の呉須による作品は、いわゆる「ダミ」と呼ばれる地塗りの技術が使われている。まず素地がまだ柔らかいうちに「毛彫り」と呼ばれる、細い針金を用いて細い線で写生をするように植物の輪郭を描き、その後、毛彫りの線の中を呉須で地塗りする “ダミ”の技法とそれを薄めて使うぼかしの技法で作品は彩られる。
そのため、彼の作品には同じ雰囲気のものはあっても、全く同じものは存在しない。すべてonly one。そこがまた、森里氏の作品の大きな魅力である。
今回の展覧会は、初めて森里氏が生まれ育った五条の地での開催となる。五条坂・茶わん坂ネットワーク主催のうつわ男子としても活躍されている森里氏だが、今まで、歴史ある窯元がひしめく清水焼発祥の地・五条での個展には二の足を踏んでこられた。京都陶磁器会館では、普段から彼の作品を展示させていただいているが、洋の東西を問わず大変人気が高い。今回の展覧会はファンの熱烈な期待に応えての満を持しての登場である。
森里氏の「はじまりの音」。彼の魅力を存分にお楽しみいただきたいと願っている。
一般財団法人京都陶磁器協会では「井上雅子・柴田有希佳 二人展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。
嵐の前、湧き起こる黒雲に潜む龍…井上雅子の作品からは、そんな得体のしれないエネルギーを感じます。小さな作品の中に大きなモノトーンの世界が広がっており、そこに大胆な構図がうねっている、そんな大胆さを感じる作品です。
そしてその正反対の、静かな自然を描く柴田有希佳。静寂の白磁の上に広がっていく、ほとばしる色。鮮やかな命の色たたずまい。静かに自然を見つめる表現者の視線を感じます。
静と動、まるで正反対の二人が、同じ空間の中でそれぞれの世界を繰り広げます。二人のこころに中に広がる彩の世界は、無限に広がっていくように思います。
二人のほとばしる「こころの彩」を、是非ご高覧ください。
一般財団法人京都陶磁器協会では「福島武山一門展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。
350年余の歴史を誇る九谷焼の伝統を継承しつつ、常に新たな創造を目指している九谷赤絵細描の巨匠福島武山先生。京都陶磁器会館では春のビックイベントとして福島先生御一門の展覧会を開催させていただきます。
「赤絵細描」とは、九谷三大技法のひとつで、白磁の上に極細の筆を使用し、髪の毛よりも細い赤い線を描きつめ、文様意匠を作り上げていく超絶技巧です。福島武山先生は、途絶えていた赤絵細描を独学で習得し、現代に甦らせた第一人者として、2004年に指定無形文化財保持者となられ、後進の指導にも力を入れておられます。古典的な鳳凰・龍・唐子や山水などの絵柄から、幾何学文様や網手を進化させた現代的な文様まで、優美で気品にあふれ人の目をとらえて離さない存在感はいずれも「福島赤絵」にのみ表現しうる魅力です。そして「福島赤絵」の魅力を若い感性でそれぞれに花咲かせている門下生のみなさん。女性らしいたおやかさと大胆さは、見る人をひきつけてやみません。
春爛漫の京都・五条坂で九谷焼の花を心行くまで、お楽しみください。
一般財団法人京都陶磁器協会では「ツノとリボン:岡本マリ展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。
岡本マリ 陶芸という分野で、「リボン」というモチーフをメインに制作。「忘れない幼い頃の記憶」をテーマとする。そのきおくをたどっていくこと。
そして、それはいつも知らないうちに頭の中にいて、今の私とつながっている。
今回の展覧会では、メインモチーフの「リボン」と、新たに「ツノ」シリーズを発表。
動物たちがもつツノではなく、人のツノ。人にツノはないが、きっとあるのだとおもう。内面にもつ、目には見えない、見えないほうがよいかもしれない何かが大きく育った。
新作の大きな「ツノ」作品を、ぜひご高覧頂けましたら幸いです。 岡本マリ
岡本マリさんの独特の表現は可愛らしくもあり、どこからか力強さも感じられる。そんな作品となっております。是非、京都陶磁器会館へお越しいただき、直にご覧ください。
一般財団法人京都陶磁器協会では「田中太郎 陶展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。
この展覧会は、京都精華大学院に所属されている田中太郎さんの初個展となります。
田中太郎さんは、多くのグループ展を経て、今回、大学院卒業に合わせ、本格的な作家活動の第一歩として、この展覧会を開催することとなりました。田中さんは今回の展覧会のテーマとしてロボットや玩具、マンガのキャラクターなどの「不完全なもの」が持つ独特の魅力をテーマとした作品を製作されています。コミカルな作品の中から、不気味さや狂気といったものが垣間見え、なぜか目を離せない、引力のような魅力を持った作品です。
是非、京都陶磁器会館へお越しいただき、田中太郎さんの世界に触れてください。
毎年ご好評いただいている「京焼・清水焼展」が今年も京都陶磁器会館にて開催します。
今年度の開催は8月8日(金)~12日(火)の5日間です。
毎年開催されているこの「京焼・清水焼展」では、京都で制作されている窯元、作家の作品を
ここ京都陶磁器会館にて展示いたします。
会場にてアンケートにご記入いただくと抽選で素敵な京焼・清水焼をプレゼントいたします。
3月15日(土)から3月30日(日)までの期間、京都陶磁器会館2階ギャラリーにて『叶道夫先生退官記念展覧会併催企画展 連なる』を開催いたします。
平成26年3月に定年退官される京都市立芸術大学 叶道夫先生のこれまでのご功績を記念し開催される退官記念展覧会に併せて、叶道夫先生にご指導いただいた卒業生・大学院生5名による展覧会を開催することとなりました。
今回展覧会をされる池田恵子・市野ちさと・竹本伊久美・佃七緒・野田綾の5名の作品や心の内には、叶先生の精神が受け継がれています。先生を中心として集まった作家たちが関わり合い、刺激し合い、また次へと繋げていきたいという思いで今回の展覧会の開催となりました。
京都陶磁器会館では2階ギャラリーを、積極的に創作活動をしている若手の作家さんに使ってもらうことで、現代の工芸を、国籍を超えて広く皆さまに知ってもらうことを目的としています。今後も現代の創造溢れる若き作家のみなさまの助けとなるべく展覧会を開催いたしますので、その折は是非、京都陶磁器会館へお越しくださいませ。事務局スタッフが心よりお待ちしております。
「叶先生退官記念 連なる」イベント案内