第53回 京都色絵陶芸展レポート

Vol.10(2011.11.29)

11月19日〜23日、財団法人京都陶磁器協会の後援する「第53回色絵陶芸展」が、くるる五条坂にて開催されました。
会期中、くるる五条坂には色とりどりの彩色を施した陶磁器が並び、いつにも増して会場は華やかな雰囲気に包まれました。今年度は新たな取り組みとして、京菓子とのコラボレーションが会場で試みられ、京都府菓子工業組合、立命館大学茶道研究部の協力の下、お茶席が設けられました。ずらりと並んだ抹茶盌の中から好みの器を選んでお茶を頂けたり、お菓子もたくさんの中から好みのものを選べたり…
また、「季節の菓子」を「季節の絵皿」に盛り「菓子と器の織り成すコラボレーション」の人気コンテストもあり、観るだけでない、「参加する展覧会に、来場者も通常とは違った楽しみ方をされていました。

ご来場の女性は、ご自身で選ばれた「竜田川」の茶盌でお茶を召し上っておられましたが、「秋らしい器で、手に持った心地も良く、とても気持ちの良い時間を過ごせました。」との感想を話されていました。また、お点前をしていた立命館大学茶道研究部4回生の山中君は「茶筅の滑りがよく、使いやすいのに驚きました。」とのことで、美しいだけでない、心配りの行き届いた京焼に、お客様も、お茶席を担当していた学生さんたちもご満足の様子でした。

皆様に「京焼は見るだけではなく、日々の生活に使ってこそ、生きる」ということを、再認識いただいたように思えます。
財団法人京都陶磁器協会では、皆様のライフスタイルに合わせた「京焼」の在り方を提案し「京焼」の新しい魅力をお伝えしていきたいと考えています。

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の写真は、京都陶磁器協会賞受賞の田中聖子さん作「酒器セット・青白磁色絵金銀彩花鳥」です。銀で描かれたツバメが、生き生きと飛び交う優雅な作品でした。
色絵陶芸展には5日間で1300名にも上る来館者があり、大変な賑わいの中で、みなさん美しい色柄の世界を楽しまれました。
「色絵の神髄とはなんですか?」という問いに、色絵組合員の方は「色の遊び、遊びの心やな…。」とおっしゃっておられましたが、まさしく来館された一人一人が、作者の遊び心に自分の思いを重ねて楽しまれた様な気がします。

右の写真は、「豊かな技と心を、次世代へつないでいきたい…。」そんな思いもしっかり受け止めて頑張ってくれた立命館茶道研究部の皆さんです。

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※入賞作品のリスト等も掲載しています。

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