五雲窰 前田 喜代範 展 11月25日(金)~12月20日(火)

Vol.9(2011.11.11)

「亜鉛結晶釉」これが五雲窰を代表する釉薬です。
初めて作品を見たとき、まるで「雪の結晶」をまとったような美しさに、思わず息をのみました。
前田喜代範氏のアトリエは、皇室の菩提寺でもある御寺・泉涌寺の山門のすぐ近くにあり、この付近には同じく京焼の窯元が80軒ほども点在します。
「亜鉛結晶釉」はデリケートな釉薬で少しの油断が命取りとなります。仕事中はいつも緊張が走り、前田氏の人柄にひかれて集まった弟子たちは、日夜努力を重ねています。アトリエにお邪魔すると、前田氏はじめ彼らの作品への情熱がと伝わってきます。
こんなデリケートな作品を作る作家はどんな人物かと思ったら、豪快、熱血、同志社大学レスリング部のヘッドコーチでもあり、良き家庭人であり…まさに「日本の親父!」という人物でした。この「親父」が手塩にかけて育てた愛情あふれる作品…だから五雲窰の作品は充実感に満ちているのでしょう。一緒に日々を暮したい…そんな作品なのです。
くるる五条坂では「日本の手わざの美しさ」を堪能していただける展覧会を、随時開催してまいります。
京焼の魅力を、少しでも皆様にお伝えできますよう、スタッフ一同、努力してまいりますので、皆様のご高覧をお願い申し上げます。

真空妙有 五雲窰 前田 喜代範展

11月25日(金)~12月20日(火)
~ひとひらの結晶の中に世界を映し出す~
京都陶磁器会館「くるる五条坂」にて開催


五雲窰 前田 喜代範 プロフィール

洛東、御寺泉涌寺の麓で育ち、先代の志を継ぎ、やきものの美しさとはなにであるかと、心に問いかけながら、見て美しく使って楽しい、人に愛される作品をと心がけ、作る喜びを感謝し、制作に励んでおります。
五雲窰 前田 喜代範

【 概 歴 】
日展会友
日本新工芸家連盟会員
日本新工芸展受賞・外務省買上
京都工芸美術作家協会会員
同志社大学 文学部美学科卒業


現在、同志社大学レスリング部のヘッドコーチとしても活躍中の前田氏。レスリングに一番大切なことは?とお伺いすると「思いやりだ。」との回答にたいへん感銘を受けました。
やきものとレスリング、そして人生を愛する熱血漢です。

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