DEPARTURE 市川博一・岡田優・小川宣之三人展

2016.07.15 更新

DEPARTURE 市川博一・岡田優・小川宣之三人展

 

 

爽やかな青磁の市川博一

のびやかなラインが特徴の白釉の岡田優

強烈な個性が際立つ小川宣之

 

京都の今を駆ける人気作家三人の作陶展です。

「酒器」をテーマとした競演と、それぞれの想いを形にしていただく展示が会場いっぱいに繰り広げられます。

“DEPARTURE”は出発という意味の他に逸脱という意味もあります。ここから始まる三人の競演。京焼の絶対値である五条坂の会場で、ある意味、京焼からの逸脱、強いては、新たなる京焼の出発というコンセプトで開催する展覧会です。京焼の未来への架け橋、是非ご高覧ください。

 

会期:2016年7月15日(金)~27日(水)

時間:9:30~17:00 (木曜日定休)

会場:京都陶磁器会館2Fギャラリー

 

 

市川博一
市川博一

<市川博一>

1959 京都に生まれる

1982 京都市立芸術大学卒業

1984 京都市立芸術大学大学院修了

1994 第6回創工会展京都府知事賞受賞

1995 全関西美術展関展賞 第一席受賞

(’99読売新聞大阪本社賞 受賞)

1997 京展市長賞受賞

2003 全関西美術展審査員(同’10、’13)

2010 個展(京都高島屋美術画廊、同’13)

京都工芸美術作家協会会員  創工会会員

 

岡田優
岡田優

<岡田 優>

1963 京都に生まれる
京都府立陶工訓練校卒業
京都市立工業試験場陶磁器コース終了
宇治炭山、走泥社同人河島浩三氏の下で陶技を学ぶ

1987 宇治炭山にて独立、赤雲窯築窯

2008 日本伝統工芸近畿展(日本経済新聞社賞)

2009 おおたき北海道陶芸展(NHK放送賞)

2010 おおたき北海道陶芸展(北海道新聞社賞)

2012 京都美術工芸ビエンナーレ(大賞)

2013 日本伝統工芸陶芸部会展(日本工芸会賞)

神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティション (準大賞)

2016 大阪工芸展(美術工芸大賞) 等受賞

公益社団法人 日本工芸会正会員
 

小川宣之
小川宣之

<小川宣之>

1963  京都に生まれる

2003  ファエンツァ国際陶芸展 ラヴェンナ商工会議所会頭賞(イタリア)

2005  ファエンツァ国際陶芸展 金賞(イタリア)

2006   日本陶芸の伝統と前衛 パリ国立セーブル美術館(フランス)

2011   日本×ファエンツァ やきものの現在 (イタリア文化会館/東京)

長三賞常滑陶芸展

2013  Contemporay Japanese Design & Arts (Millano)

Istituto Giapponese di Cultura in Rome (イタリア)

神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティション 奨励賞

2015   マイヤー×信楽大賞 日本陶芸の今-伝統と革新

コレクション ファエンツァ国際陶磁博物館 兵庫陶芸美術館

Rencontre いま、ここで、出会う 交差する現代陶芸コレクション

兵庫陶芸美術館

西條淳子 陶絵展

2016.07.15 更新

西條淳子B

大正初期から100余年、茶道具や割烹食器を手がける名門 澤村陶哉工房で、30年ちかくも制作をつづける西條淳子氏は、高度な技と経験が必要とされる京焼の絵の具を巧みに使いこなし、活き活きとした、たおやかな自然を描き出す絵師です。

丹念に描きこまれた草花は、単に形を精密に写し取ったものではなく、確かで繊細な描写により、生命が持つ独特の気配さえ感じさせます。写真に紹介した作品は、西條家の秋の庭の風景ですが、日々スケッチを重ねてこられた、生きた筆致が、作品の上で微笑んでいるように思えます。

また、彼女の作品にある余白は、我々を想像の世界へと誘(いざな)います。陶作品というよりは、一幅の絵画を眺めているような西條氏の作品。いつか見た風景がそこにはあり、自分の記憶と相まって合って、懐かしさの残る濃密な時間を生み出すのです。

「ふと立ちどまって、手にとってみたくなるような作品をつくりたい」と語る西條氏。彼女の思いが込められた作品に、自分の生きてきた時間を重ねて楽しんでみられてはいかがでしょうか。

是非、ゆっくりとご覧いただきたい作品展です。

 

西條淳子略歴

京都精華大学美術学部デザイン科卒

京都府立陶工高等技術専門校 図案科卒

二代目澤村陶哉氏に師事

三代目澤村陶哉工房にて絵付けに従事

 

会期:2016年7月15日(金)~27日(水)

時間:9:30~17:00 (木曜日定休)

会場:京都陶磁器会館1Fギャラリー

 

晋六窯 展  お茶時の器

2016.05.27 更新

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晋六窯 展  お茶時の器

 

 

晋六窯さんといえば、ペリカン急須。

初めてこの急須を見たとき、よちよち歩くペリカンを想像して思わずにっこりしてしまいました。

しかし、この急須、使ってみて再びにっこり。

お茶の切れもよく、持ちやすい。そして二煎目のお湯をつぐときに蓋を取らなくても良い便利さ。

今回そのペリカン急須が、オシャレに進化して素敵なお茶時の器になりました。

シンプルで新しい、今の生活に生きる「京焼」です。

新しいペリカン急須に会いに来てください。

 

 

会期:2016年5月27日(金) ~  6月1日(水)

会場:京都陶磁器会館1階展示場

時間:AM9:30 ~ PM5:00

辻 勘之展 練り込みの器

2016.05.20 更新

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辻 勘之展  練り込みの器

 

 

白い土、赤い土、織りなす模様

八十路のわざくれの詩

 

練り込みという技法は、色の違う粘土を練り合わせて模様を作る技法です。

例えるなら、マーブルケーキを思い浮かべていただくと良いかと思います。

ケーキは焼くと膨らんでよいのですが、焼き物は焼くと収縮するので、粘土を上手に合わせないと隙間ができ失敗してしまいます。

辻寛之氏はこの技法を巧みに使い独自の作品を作っておられます。

年度の優しい風合いを活かした手作りの器。八十路のわざくれの詩…

是非、お楽しみください。

 

 

会期:2016年5月20日(金) ~ 5月25日(水)

会場:京都陶磁器会館1階展示場

時間:AM9:30 ~ PM5:00

藤岡光一展 ESPERANZA

2016.04.29 更新

藤岡光一 画像1

藤岡光一展 ESPERANZA

藤岡光一氏は、独立独歩わが道を行く「作り手」です。焼き物の家に生まれたわけでも、造形系の学校を出たわけでもなく、師も持たず、独学でここまで歩んでこられた彼の、陶芸にかける熱い思いは、お話を伺うとひしひしと感じます。

藤岡氏の作品をはじめて拝見したとき、目に飛び込んできたのは「迸(ほとばし)る色」でした。暗闇の中で煌めくような色が印象的な黒のkimonoシリーズ、光のシャワーのようなさわやかな練りこみの作品。迸(ほとばし)る色を、彼独特の重力を意識したフォルムが、空間を包むように切り取ります。

器を「造形作品」と考えて制作をしているという藤岡氏。人に心地良く、常に新しい「焼き物の可能性」を追求し続けておられます。彼の「器が人の生活を快適にする」という強い思いが、いろいろな受賞につながっていると思います。

“ESPERANZA”はスペイン語で希望という意味ですが、藤岡氏の存在はきっと焼き物の新しい希望となってくれることでしょう。

是非、ご高覧をお願いいたします。

 

藤岡光一 略歴

1976生まれ

2003年独学で陶芸を始める

公募展受賞歴
2008朝日陶芸展 入選

2011めし碗グランプリ展 グランプリ受賞
2013日本クラフト展 奨励賞受賞
2014テーブルウェアーフェスティバル 最優秀賞受賞
2015日本陶芸展入選 陶美展入選
常滑陶業展 長三賞受賞

現在日本クラフト協会 正会員

 

工房住所

🏣671-1143

兵庫県姫路市大津区天満 277-9

藤岡光一

天野智恵美展  ~今日までの私 今日からの私~ 

2016.04.15 更新

天野智恵美 画像1

天野智恵美展  ~今日までの私 今日からの私~

 

京都で陶芸を始めて10年

私を育んでくれた京都で

今日までの私を

今日からの私を

作品に込めて。

 

これが作者御本人から寄せられた、展覧会への想いです。

木の実を思わせる優しいフォルム。華やかで繊細な搔き落し。柔らかな雰囲気の青磁。智恵美さんの作品はどの作品もふんわりと優しいイメージで、陶磁器というよりまるで草花と一緒にいるような印象があります。でも、決して簡単に作られた作品ではありません。作品を拝見すると、とてもデリケートに、細かいところまで計算し尽した、精密な作業の積み重ねであることがわかります。「作るのが遅くって…。」とご本人は言われますが、これだけ手の込んだ作品ならば、制作に時間がかかるのは当たり前だろうと思います。技と心を思い切り込めて作りだされる作品。これまでの10年で培ってきたもの、更なる進化を遂げてこの上に積み重ねていくもの・・・。これからの智恵美さんの作品を楽しみにご覧ください。

天野智恵美 略歴

1987  神奈川県生まれ

2009  京都工芸伝統大学校卒業

波佐見焼窯元にて絵付師勤務

2010  京都にて制作

2015  ルーサイトギャラリー(東京)個展

 

<コンペディション>

2009  第49回日本クラフト展入選

2014   陶ISMコンペディション グランプリ

日吉開窯100周年記念コンペディション グランプリ

 

天野智恵美 E-Mail potter.chiemi@gmail.com

 

カリン・プッチュ・グラッスィ  Kyoto-Firenze Twining

2016.03.25 更新

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カリン・プッチュ・グラッスィ  KyotoFirenze Twining

カリン・プッチュ・グラッスィさんはイタリア・フィレンツェ在住のドイツ人陶芸家です。CUT&STRECHという彼女独自の技法を用いて、優しくおおらかな作品を制作、世界中で発表をしておられ、京都と姉妹都市であるフィレンツェから来日されます。

姉妹都市とはいえ、全く異なる歴史や文化、自然環境の京都とフィレンツェ。しかし、人のこころや、美に対する意識の根底に流れている人間としての想いは、理解し合うことができ、友情を育むことができます。カリンさんがイタリアで制作した作品と、日本で制作した作品を一堂に展示し、国境や文化の違いを超えて、一緒に美に向かって進む…そんな心の通い合いを形にした展覧会です。春の訪れとともに、おおらかなカリンさんが、京都へ新しい風を吹き込んでくれます。是非、ご高覧ください。

 

カリン・プッチュ・グラッスィ 略歴

1986 フィレンツェ美術大学陶芸科卒業

1990 ロンドンゴールドスミス大学陶芸科卒業

2012 BACKSTEIN-terracotta(ドイツ)

Rassegna国際現代陶芸展 第一席 (イタリア)

ファエンツァ“I Rakuriosi” 第一席 (イタリア)

Lark Crafts(Ed.), The Best of 500 Ceramics(ニューヨーク&ロンドン)

2013 Arte Ceramica oggi in Italia(ミラノ)

2014 Keramik Europas(ドイツ)

2015 第3回Ceramics UNICUM2015国際トリエンナーレ(スロベニア)

Ceramic Monthly“From Idea to Finished Form”掲載

 

 

4月3日(日曜日) 午後2時より カリンさんを囲んでのワークショップ

“Kyoto-Firenze Twining”

開催予定

 

森里龍生 展

2016.02.26 更新

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生き生きとした椿やブドウ、桜…。森里龍生氏の作品からは、草花の伸び行く「命の音」が聞こえてくるような、そんな気がする。深い染付のブルーや、情熱的な辰砂の赤、漆黒の黒など、植物の、生きている証のような色彩の揺らぎが、作品の魅力だと思う。

はんなりとした森里氏の呉須による作品は、いわゆる「ダミ」と呼ばれる地塗りの技術が使われている。まず素地がまだ柔らかいうちに「毛彫り」と呼ばれる、細い針金を用いて細い線で写生をするように植物の輪郭を描き、その後、毛彫りの線の中を呉須で地塗りする “ダミ”の技法とそれを薄めて使うぼかしの技法で作品は彩られる。

そのため、彼の作品には同じ雰囲気のものはあっても、全く同じものは存在しない。すべてonly one。そこがまた、森里氏の作品の大きな魅力である。

今回の展覧会は、初めて森里氏が生まれ育った五条の地での開催となる。五条坂・茶わん坂ネットワーク主催のうつわ男子としても活躍されている森里氏だが、今まで、歴史ある窯元がひしめく清水焼発祥の地・五条での個展には二の足を踏んでこられた。京都陶磁器会館では、普段から彼の作品を展示させていただいているが、洋の東西を問わず大変人気が高い。今回の展覧会はファンの熱烈な期待に応えての満を持しての登場である。

森里氏の「はじまりの音」。彼の魅力を存分にお楽しみいただきたいと願っている。

「井上雅子・柴田有希佳 二人展」

2015.05.01 更新

井上柴田 はがき2

一般財団法人京都陶磁器協会では「井上雅子・柴田有希佳 二人展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

嵐の前、湧き起こる黒雲に潜む龍…井上雅子の作品からは、そんな得体のしれないエネルギーを感じます。小さな作品の中に大きなモノトーンの世界が広がっており、そこに大胆な構図がうねっている、そんな大胆さを感じる作品です。

そしてその正反対の、静かな自然を描く柴田有希佳。静寂の白磁の上に広がっていく、ほとばしる色。鮮やかな命の色たたずまい。静かに自然を見つめる表現者の視線を感じます。

静と動、まるで正反対の二人が、同じ空間の中でそれぞれの世界を繰り広げます。二人のこころに中に広がる彩の世界は、無限に広がっていくように思います。

二人のほとばしる「こころの彩」を、是非ご高覧ください。

 

「福島武山一門展」

2015.04.03 更新

ちらし表

一般財団法人京都陶磁器協会では「福島武山一門展」と題しまして、企画展を開催する運びとなりました。

350年余の歴史を誇る九谷焼の伝統を継承しつつ、常に新たな創造を目指している九谷赤絵細描の巨匠福島武山先生。京都陶磁器会館では春のビックイベントとして福島先生御一門の展覧会を開催させていただきます。

「赤絵細描」とは、九谷三大技法のひとつで、白磁の上に極細の筆を使用し、髪の毛よりも細い赤い線を描きつめ、文様意匠を作り上げていく超絶技巧です。福島武山先生は、途絶えていた赤絵細描を独学で習得し、現代に甦らせた第一人者として、2004年に指定無形文化財保持者となられ、後進の指導にも力を入れておられます。古典的な鳳凰・龍・唐子や山水などの絵柄から、幾何学文様や網手を進化させた現代的な文様まで、優美で気品にあふれ人の目をとらえて離さない存在感はいずれも「福島赤絵」にのみ表現しうる魅力です。そして「福島赤絵」の魅力を若い感性でそれぞれに花咲かせている門下生のみなさん。女性らしいたおやかさと大胆さは、見る人をひきつけてやみません。

春爛漫の京都・五条坂で九谷焼の花を心行くまで、お楽しみください。