煌めく宇宙のような天目の橋本大輔氏と、繊細で個性的な染付のよし子さん。おふたりの個性がぶつかり合う展覧会です。
大輔さんが天目の釉薬を志されたのは、京都市工業試験場 陶磁器コースの在籍中のことだそうです。
星の数ほどあるテストピースの中にひときわ魅力的なひとかけらの陶片が、今の大輔さんの出発点でした。
一方、佳子さんは学校で日本画を学ばれた後、友禅作家辻本雅俊氏に師事。
友禅を手掛けておられましたが、陶画に変更。とにかく描いていたい…と旺盛な制作意欲で独自の染付を展開されています。
全然違う作品を、仲良く二人で制作されている橋本夫妻。是非、ご高覧ください。
<橋本大輔 陶歴>
昭和四十七年 京都五条に生まれる。
平成十四年 京都府立陶工高等技術専門校 陶磁器成形科終了
平成十六年 京都市工業試験場 陶磁器コース終了 二代目 橋本城岳に師事
平成二十五年 独立 第四十一回・第四十三回 日本伝統工芸展近畿展入選
<橋本よしこ陶歴>
昭和四十五年 京都五条に生まれる。
平成元年 京都市立銅駝美術工芸高校日本画科卒業 彩墨友禅 辻本雅俊氏に師事
平成十六年 二代目 橋本城岳に師事
平成二十五年 独立
京都西山高原アトリエ村は京都市の西の端、西山の上に位置し、豊かな緑に包まれています。
1988年在住の芸術家が中心となり「西山高原アトリエ村展」を開催しました。
本年は30周年記念にあたり、陶芸家6人が記念展を開催いたします。是非ご高覧下さい。
<出品作家>
久保良裕、柴田恭久、柴田良三、伯耆正一、伯耆葉子、宮里絵美
優しい乳白色とダークグレーの掛け分けの素地に、オレンジやブルーなどの軽やかな色が躍る安田宏定氏の器。
甘すぎない大人の可愛さで若い方に人気の作家です。
安田氏が大切にしているのは「動き・流れ・リズム」。 乳白色の優しい色の上に置かれたさまざまな色は、ダンスをしているかのようです。
酒器をはじめ、テーブルを元気にしてくれる器がたくさん会場に参ります。
春の足音を聞きながら、新しい季節にふさわしい楽しい器を探してください。 きっとお気に入りが見つかると思います。
たくさんの方にご覧いただきたい京都の若手の展覧会です。ぜひ、ご高覧お願いいたします。
<陶歴> 祖父 安田全宏 師事
小川宣之氏から薫陶を受ける
2012年 京都美術工芸ビエンナーレ入選
2016年 ドームやきものワールド2016
新作器展 男前UTUWA部門
ドームやきものワールド賞 受賞
藤信知子さんの作品は面白い。ユーモアと原始的な力に満ちたシャーマニズムのようなものを感じるのだ。
なぜ、あのような造形が生まれるのか不思議に思っていたら、本人から、祖父の死をきっかけに
非現実的な世界観、空想や妄想の世界といったものに関する作品を作りたいとの思いがあると聞いた。
そして作品を制作する中で、桃太郎など、昔の人達が空想した物語が今なお、語り継がれている事のすごさを感じているとのこと。
昔話の登場人物たちは藤信さんのこころのフィルターを通して、生き生きと動き出し、命がけでいたずらをして回る・・・
そんな気がする不思議な造形だ。
藤信さんは普段から「固定観念に縛られず、奇抜さ・面白さといったユーモアを大切にした楽しい作品」の制作を心がけているそうだが、
その作品は本当に自由で、楽しい。 藤信知子さんにしか作れない、不思議な世界を、ぜひ、お楽しみいただきたい。
<陶歴>
1988 大阪に生まれる
2010 京都精華大学芸術学部 素材表現学科陶芸専攻卒業
個展「さらば 愛しき日々 もう戻れぬ」ギャラリーアンテナ/京都
2011 トーキョーワンダーウォール公募 立体・インスタレーション部門 入選/東京都現代美術館
2012 京都精華大学 大学院芸術研究科 博士前期課程陶芸専攻修了
個展「花への挑戦状」 ギャラリー恵風/京都 京都美術・工芸ビエンナーレ2012 入選/京都文化博物館/京都
他、グループ展 多数
石清水八幡宮を仰ぐ山の脇道を進むと、その山すそに工房はあります。
都会の喧騒を隔てた静寂の中、うつわ作家として毎日ろくろと向き合っておられます。
窯から焼きあがった器は、それが何年も前からそこにあったような雰囲気をかもし出し、設えに溶け込むのです。
荒賀さんのうつわは、ろくろで土と会話をしているように、のびやかで、命をはらんだようにふっくらと愛おしい形をしています。
柔らかい光をまとったような粉引きを中心に、温かい肌合いの焼しめ、黒釉も素敵です。
前田さんのうつわは、レースのように細やかな模様が女性らしい、落ち着いた華やかさをたたえています。
どれも使う人の心地よさを一番に思って作られたうつわです。
人々のくらしのために作られたおふたりのうつわを、ぜひお手に取ってご覧ください。
100年ほど前に世界を魅了した京薩摩という京焼がありました。
虫眼鏡を使わないと細部まで見えないような超絶技巧を凝らしたその作風は、
世界中をあっと驚かせたのですが、永く絶えておりました。
それを現代に復興させたのが空女先生で、先生の作られる作品はその華麗さと細密さ、
そして今を生きる陶芸家としてのセンスで高い評価を得ておられます。
先生には素晴らしい作品を制作される作家としての顔と、
その技術を陶の道を歩む若い作家たちに惜しみなく伝授される、優れた指導者としての二つの顔があります。
今回はその両方をご紹介できる展覧会として開催させていただきます。
先生を慕う若き作家たちが日本中から集まり、それぞれの技を駆使した作品を披露してくれるのです。
「みんな違ってみんな良い…。」
と先生はおっしゃっておられました。
どんな煌めきが集まるのか…ぜひ、会場でご覧になっていただきたいと思います。
空女(小野多美枝)
<若手の出品作家9名>
見谷若葉、野上美映子、真砂皓志、竹内瑠璃、新川砂山、林大地、齋藤有希子、藤本友、高橋亜希
不思議な生命感のある造形・・・太田夏紀の作品は、表情豊かな動物たちが、それぞれ主張し合って世界を形成している。
どれもかわいいだけでない、シニカルな言葉を持って動き出すようだ。
カメレオン、カエル、スズメ、ランチュウ・・・今までの作品は実在の生物が太田風にアレンジされた
「松ぼっくりの雀」だったり、「歌うような鶏」や「神のようなナマケモノ」だった。
ところが今回の展覧会ではそこから一歩進んだ、見たことのない不思議な生物たちが登場する。
生物の奥底に潜んでいる、命の不可思議が、太田の手を通って地上に現れたような造形である。
かわいく、不気味で、得体のしれない新しい生き物たち。彼らはなにを想い、どこへ進んでいくのだろうか。
ますます太田の作品から目が離せない。
京都陶磁器会館2階ギャラリーが、太田夏紀の世界となる2週間・・・。是非、あなたの目で、不思議な命の世界をご覧ください。
太田夏紀(おおた なつき)
1993年 大阪府生まれ
2016年 京都精華大学 芸術学部素材表現学科 陶芸コース 卒業
2016年 京都精華大学 大学院 芸術研究科 陶芸専攻 入学
2015 「京都同時代学生陶芸展」元・立誠小学校/京都
2015年「わん・碗・ONE展」京都陶磁器会館/京都
2016年「合同個展」The Terminal KYOTO/京都
2016年「精華-ESSENCE-」BAMIgallery/京都
2016年「手のひらアート 動物園」岡山天満屋 COMBINEoffice/岡山
2016年「STEP/STROKE」ギャラリー恵風/京都
2016年「陶芸tomorrow 6芸大 若手の饗宴」ギャラリーマロニエ/京都
2016年「太田夏紀 個展 『息物』」BAMIgallery/京都
2016年「2017年 干支『酉達の集い』」あべのハルカス近鉄本店/大阪
2016年「-コンポラサーカス-京都若手現代美術作家展vol.2」京阪百貨店 守口店/大阪
受賞歴
2014年「わん・碗・ONE展」10位入賞 /京都陶磁器会館
2015年「京都花鳥館賞」優秀賞 /京都花鳥館
陳韋竹さんは動物や日本の玩具が好きで、強く影響を受けました。
そんな彼女の作品からは、おもちゃのような可愛らしさと、生き生きとした感情があふれ出てきます。
陳さんの作品は彼女自身の心の中に存在する空想の生き物ですが、
それらはまるで実際に存在するかのようで…幼いころに遊んだ記憶を思い出して欲しい…と観ている人へ語りかけます。
作品はすべて日本滞在中に制作されたもので「日本で彼女が感じたこと」が表現されています。
日本の土で焼き上げられた陳さんの動物たち。日本で陳さんが感じたことを、作品を通して感じていただければと思います。
<陳韋竹 略歴>
1987 台湾に生まれる
2013 アジア現代陶芸展 金沢21世紀美術館 愛知県陶磁美術館
2014 臺澳陶藝交流展 文化歴程 国立台湾芸術大学 澳門大学 台湾 香港
2015 国立台湾芸術大学 工芸設計学系研究所 陶芸科 卒業
信楽陶芸の森アートレジデンス滞在制作
虚疑動物的奇幻世界 桃園展演中心 台湾
アジア現代陶芸展 杭州 中國美術學院美術館 中國
第2回新北市陶藝奬「陶藝創新奬―創作組」入選
第7回台湾金陶奬「社會組」 審査特別奬‐作品典蔵
2016 夢の中の動物 藤喜陶苑 信楽
「よいの形」展 ギャラリーヴォイス 多治見
台湾国際陶藝雙年展 入選
マグカップは取手が犬の形をしていたり、お星さまやお花の形の重ね鉢だったり…
小野あやさんの作品はくらしをそっと見守ってくれるような優しさにあふれています。
テーブルに置いたら、素敵な誰かとの会話が始まりそうな、ありふれた日常をそっと支えて、楽しくしてくれる器です。
あなたのお気に入りを見つけに来てください。
1981年京都生まれ
2002年京都嵯峨芸術大学短期大学部陶芸コース卒業
2006年京都府立陶工高等技術専門校成形科修了
京都清水焼窯元嘉豊陶苑にて四年間就業
2011年京都市産業技術研究所技術者研修陶磁器コース修了
2012年京都市産業技術研究所技術者研修陶磁器応用コース修了
2013年京都市下京区にて開窯
京都青窯会協同組合は昭和43年発足の、皇室の御寺「泉涌寺」の麓に集う窯元で構成された組合です。
この泉涌寺の近辺は、「焼きもの」とは古くから縁があり、太閤秀吉が大仏殿造営にあたり、この地に瓦窯を築かせたのが始まりで、多くの瓦窯が存在していました。
その後、五条坂から移り住んだ先人達が登り窯を築いて、この地に開窯したのが大正3年。一番多い時で14基もの登り窯が煙を上げていた、京焼の産地です。
今も組合の拠点である「青窯会会館」を中心に、たくさんの窯元が制作に励んでいます。ここでは作品の展示はもちろんのこと、陶芸体験、工房見学など、幅広く京焼を味わう時間をお過ごしいただけます。
今回で49回目となる青窯会展では、テーマを「茶器」として、組合所属の窯元が腕によりをかけて日頃の成果を競います。
煎茶器、抹茶盌などの伝統の器から、ティータイムを彩る素敵な日常の器まで、生活の中で楽しんで使っていただける京焼が展示即売されます。 是非、ご高覧いただき、器の持つ「手作りのやさしい温もり」を感じてください。