高野洋臣

2012.02.22 更新

「若い世代の人に陶器はお洒落と感じてほしい。」と話すのは、昭阿弥窯の高野洋臣さん。精巧で綿密な絵を施す茶器から、割烹、一般食器までを製作する昭阿弥窯の次代を担う若き職人である。 高野さんをあえて職人と呼ぶには訳がある。磁器を専門に製作する窯元では、ロクロの技術が如何に精確であるかを求められるからだ。ご本人も磁器が得意、ロクロ挽きを追求し、こだわりを持って製作していきたいと、自らの方針を話す。

「手仕事は基礎が大切、昔に比べて職人仕事が少しずつ廃れてきているのではないかとの危機感を持っています。」とは高野さんの弁。 確かに、しっかりとした基礎の上に芸術的、工芸的な仕事は成り立っている。かのピカソも若い頃に描いた精巧なデッサンを数多く残している。後の絵からは連想もできないような絵画の基礎を基に対象物を忠実に描いたものだ。精巧な茶器や食器を製作する昭阿弥窯の仕事以外にも、高野さんオリジナルの作品も意欲的に製作している。グループ展も定期的に開催し、高野さん自身のオリジナリティーを盛り込んだ作品を発表しているそうだ。

40代までの若い世代の人にお洒落感覚で陶磁器を生活に取り入れてもらえるような器を提供していきたい。これからも磁器を作り続けていくためにも、常にこのことを心がけて製作に臨まなければ先が見えてこないと高野さんは語る。 新たな作風に鋭意挑戦する高野さんの焼き物に対する前向きな姿勢を強く感じる。

高野洋臣

1974年 京都に生まれる
1998年 京都芸術短期大学専攻科 ランドスケープデザインコース卒業
2001年 京都府立陶工高等技術専門校成形科修了
2001年 昭阿弥窯に勤務
2003年より 毎年グループ展「瓢駒会」
2005年 テーブルウエア展出品 東京ドーム

高野昭阿弥(代表者:高野進二郞)

〒605-0953 京都市東山区今熊野南日吉町148番地の60

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