今回は、2017年9月29日(金)~10月11日(水)の期間中開催しておりました、「張 義明~天空~」をご紹介させていただきます。
「命」をテーマに作陶しておられる張さん。彼の作品は明るく快活な作品で、作者である張さんの人柄を写し込んだかのようです。
そんな彼が、今回の展覧会のテーマを「天空」し、カラフルな色と躍動する形が素敵な作品が並びました。
張さんの作品は、様々な技法を使い、いかに自分の表現したいものを作り上げていく。そのため、様々な形や色をしており、バリエーション豊かな作品となっております。
明るい色から暗い色、丸い形から四角い形。
様々に変化する姿に、見るものは心動かされワクワクするような、くすぐったいような気持ちにさせられます。
今回の「天空」というテーマをイメージさせるような、青であったり赤であったりは、普段から彼が目にする工房から見上げた空の色のようで、時々によって多彩な顔を見せる「天空」の姿を、陶という素材に吹き込んだかのようです。
ロクロや手びねり、タタラ成形など様々な成形方法を駆使する張さん。
空のベールや山の稜線をイメージ出来るような造形を施された作品たちは、「天空」の色をまとい着飾っていく。
多様な姿を見せる「天空」を彼の特別なファインダーを通し、切り取り、再生成していく。そのプロセスを通して生み出された作品たちは様々なことを語り聞かせてくれます。
今回の展示では、壁掛け作品や天井から吊るした作品が多く、会場を縦横無尽に行き交う作品は、空に浮かぶ天体のようで、まさに会場自体が「天空」の一部になっているかのようでした。
空を飛び交う星々ような作品やきらめく太陽のような作品からは、彼の持つエネルギーが溢れ出し、見る人を高揚させる力を持っています。
台湾で生まれ育ち、日本において美術教育の勉強をし、現在まで作陶を続けてきた張さんだからこそ生み出す事ができ、言語・文化といった様々な垣根を越え、人々の五感に訴えかけてくるような作品となっています。
現在、京都市右京区京北町にて作陶をされている張さん。
彼の作品は京都陶磁器会館にて展示させていただいております。京都・五条坂のお近くにお越しの際は、ぜひ、お立ち寄りください。