秋山はるか展「かたちのしま」を7月5日(金)~15日(月・祝)の期間中、京都陶磁器会館2Fギャラリーにて開催中です。今回で7回目となる財団法人京都陶磁器協会が主催する、若手作家の展覧会です。
秋山はるかさんの作品は、白色を基調としたものとなっており、どの作品にもやわらかであたたかみのある作品となっており、大小様々な大きさで、こぶし大の作品は中がくり抜かれておらず、無垢の状態となっています。
それより大きな作品は、最低限のくり抜きにとどめ、かなり重厚な作品となっています。
そういった作品のそれぞれが、四角かったり丸かったりと多彩な象(かたち)をとっており、さらに作品の一部分が抉られたかのように加工されています。また、全体を覆う白い色もところどころ剥げており、長年風雨に曝され風化したかのような加工が施されています。
「永い時間の中、繁栄と衰退を繰り返してきた自然界の動植物や、水に浮かぶ島など取り巻く環境が波で島が削られるなどといった、変化や繰り返しの中にドラマがある。そのような変化を粘土の塊を何度も加工し、焼成を重ね作品の中にイメージを宿し、何か見えない気配を纏っていくような作品を作っています。」と秋山さんは語ってくれました。
風化したような加工は、まさに秋山さんの語られるドラマを示しているように感じます。
「やわらかさ」や「あたたかみ」といった印象は、長年そこにあり続けたかのような、作品の持つ存在感がにじみ出ているのではないかと思います。
存在感を全面的に押し出してこないが、しっかりとそこに存在している、どこか安心感さえ与えてくれそうな秋山さんの作品たちをこの機会に是非、京都陶磁器会館にてご覧ください。
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