京焼銘窯会「大食器展」

vol.49(2013.05.07)

今回は、53()6()の期間中に開催しておりました、京焼銘窯会主催、京都陶磁器会館後援の「大食器展」を紹介させていただきます。

 この展覧会は、ここ京都陶磁器会館の1階入口周辺を使い、京焼銘窯会会員の各窯元や作家さんの作品を一堂に並べた展覧会となりました。「京焼銘窯会」とは京都の東山五条地区・日吉地区・泉涌寺地区・山科清水焼団地地区・宇治炭山地区などに分かれている、協同組合組織の地域を飛び越えて集まり活動し、京焼・清水焼の素晴らしさを次世代に伝えるために活動されています。

 

 

その作品は、窯元や作家ごとに様々な技法や釉薬が使われており、多岐にわたります。その中でも、「呉須」と呼ばれる焼成後に青色になる絵の具を使い、細かな紋様や絵柄を磁器の器に描いた作品は青色が素晴らしく冴え、とても美しいです。その呉須で描く技法を「染付」と呼び、京都の陶磁器に代表されます。その「染付」の技術に多くのお客様が素晴らしいと仰っておられました。

 

 

 染付が青色一色で描くのに対し、より沢山の色を使った作品もあります。京都での「色絵付け」と呼ばれる技法は京焼の始祖野々村仁清が開発したとされ、京焼・清水焼の中でも重要な位置を占めています。その華やかな作品は、特別な絵の具で描かれ焼き付けられることにより、様々な色をだしてくれます。「染付」と同様に、高度な技術を要するといわれ、焼き付けられる温度も染付とは違います。そういった特別な技術もまた京焼・清水焼の長い歴史の中で確立され、今日まで伝えられてきました。(左:染付と色絵付けの汲出し碗)

 

 

他にも、「交趾」と呼ばれる模様のカラフルな低下度釉薬を流した作品(右上)や、「京三島手」と呼ばれる、「印花」(花などの文様をハンコにしたもの)を使った作品(右下)など、京焼・清水焼を代表する作品が多く並びました。このような、様々な京焼・清水焼を見るだけでなく、実際に購入していただける展覧会となり、多くの方に京焼・清水焼の素晴らしさを知っていただくことが出来た展覧会となりました。

 

 

 

 

 

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