京焼こどもプロジェクトin京都市立下京渉成小学校

Vol.11(2012.01.16)

 

京焼こどもプロジェクト in 京都市立下京渉成小学校

(財)京都陶磁器協会 京都市教育委員会より、感謝状をいただく。

 財団法人京都陶磁器協会では、豊かな情操教育を目指す一環として、次の世代を担うこども達に「京焼」に親しんでもらおうと「京焼こどもプロジェクト」を展開してまいりました。これは「京焼」に関する出前講座や、実際に使って親しんで頂くためにやきものを学校に寄贈するといった活動です。

京都府、市の教育委員会のご協力の下、本年度は4校の小学校での「京焼こどもプロジェクト」が実行されてまいりました。そしてこのたびの下京渉成小学校における京焼こどもプロジェクトでは、京都市教育委員会より「京焼」寄贈の功をねぎらう意味で、協会は感謝状をいただきました。

自分たちが育てた京野菜で京料理を作り、京焼に盛り付けて食べる授業「ゼロからつくろう おいしい協(京)野菜収穫へ」プロジェクト

 

111日・京焼講座

 11日の「京焼講座」では実際に触ってみるという事をこども達に体験してもらいました。初めての菊もみ(土もみ)に苦戦したり、雅号名鑑で作者調べもしました。感想として、「将来やってみたい」とか、「模様に意味があるのを初めて知った。この京焼を使えてよかった」という声が上がり、取材側が逆にこども達に感動をもらった1日でした。

協会が協力させて頂いた、京都市立下京渉成小学校のプロジェクトは自分たちが育てた京野菜で京料理を作り、京焼に盛り付けて食べる授業「ゼロからつくろう おいしい協(京)野菜収穫へ」です。これは下京渉成小学校の5年生44名が自分たちで畑を耕し、京野菜を育て、京料理を作り、京焼の器に盛り付けて頂くという、たいへんなものです。土いじりなどしたことのないこども達が、砂場の砂をすべて取り除き、土を入れる所から、夏の暑い日の水やり、害虫の駆除など、様々な苦労を重ねて野菜を育て上げました。5月に作業を始めてやっと1月12日に収穫、16日が調理という運びになりましたので、協会からは11日に「京焼講座」と題してお話をしに伺いました。

 

 

 

 112日・収穫「採ったど~!」

 

1月12日はこの冬1番の冷え込みでしたが、こども達の元気で寒さはどこかへ行ってしまったような1日でした。自治連合会長さんに「いろんな人の助けで、人は生きていることと、君らこどもは宝物な


んだということを忘れないで」というお話のあと、野菜の収穫の仕方を聞いて、いざ、収穫開始。あちこちから「大きい!!」「良いにおい」などの歓声が上がります。おそらく初めての収穫の喜びを、こどもたちは大人になっても忘れないでしょう。116日・調理実習「京料理作り」実習室はお出汁の良いにおいでいっぱいでした。調理実習は2度目とのことで、包丁を持つ手はおっかなびっくり!!でも、ニンジンを型抜きしたり、飾り付けの葉蘭を切ったり、どんどん調理は進みます。自分で選んだ京焼の器に、きれいに盛り付けたら、ランチルームへ運んでお食事会が始まります。お客様の用意もするんだと、こども達は大張り切りで頑張っていました。どの子にとっても、自分で育てた野菜は格別なんです。

 

 

お食事会では班長さんの感想と収穫までの道のりを記録したビデオが上映され、いよいよ会食です。

「自分で育てた野菜は特別の味がする!」
「水やり大変だったけど、よかった」
「京焼がきれいだから余計においしい!」
など、たくさんの「おいしい」が聞かれ本当に楽しいお食事会でした。こども達のお料理はお世辞抜きでおいしく、美しく盛り付けられていました。

たくさんの大人達の思いと、こども達の頑張り。「啐琢同時」という言葉がぴったりな素晴らしいプロジェクトでした。

財団法人 京都陶磁器協会では、今年もこのような活動を通じて、子供たちの豊かな未来作りのお手伝いをしてまいります。

※「啐琢同時」= 禅語で親子が共同で作業をすれば、ことがうまく運ぶたとえ。雛が孵化するときに親は外から、雛は卵の中から殻をつついて力を合わせて殻を割る様をさす。


下京渉成小学校5年生の皆さんへ

ごちそうさま!ゼロから作ってくれた協(京)野菜

1月11日、12日と楽しい時間をくださった下京渉成小学校の皆さん、本当にありがとうございます。

「京焼講座」では、素晴らしい感想を述べてくださり、感激しました。また寒い中の野菜の収穫は、寒さなんか吹っ飛んでしまうほど楽しく、収穫の喜びを私も味あわせて頂きました。また、あの時頂いた「16日の招待状は大切な宝物になりました。
そしてお土産の頂いたお野菜は、家族で美味しくいただきました。特別の野菜ですから、我が家の特別の「京焼」に、盛り付けました。2回に分けて頂きましたが、我が家は野菜炒めが好きなので、蕪の葉と壬生菜は野菜炒めに、お葱は薬味に、蕪は即席漬けにしました。香りの良い、とても美味しい野菜で、家中、に「美味しい!」の輪が広がりました。
最後に残った蕪の根っこは、うちで飼っているデグー(南米産の小型モルモットです。)のカズ(という名前)が美味しくいただきました。よほど美味しかったのか、必死で食べていました。

そんなふうに、皆さんから頂いたお野菜は、人も動物も大好きで、あっという間になくなりました。私は皆さんへの感謝でいっぱいです。

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