2Fギャラリーにて、平成29年3月3日(金)~15日(水)の期間で開催しておりました、「太田夏紀 陶展 ― 種の子 ― 」をご紹介させていただきます。既存の動植物から生まれてくる、太田さんの作品達は愛らしさとグロテスクさの両面を持ち合わせた、ユニークな作品となっております。
様々な動植物から少しずつカタチをもらい作り上げられ、イキモノとして形作られた作品たちは、陶磁器で作られているにも関わらず、抽出元の生き物のもつ柔らかさや質感を忠実に再現されています。
様々な手法を用い彩色された作品は、独特の質感を作り上げ太田さんの世界観を作り出す一つのファクターとなっています。また、土の表層に施された釉薬や絵の具による彩色によって驚くほど、生き物としての質感に近づけることが出来、より深く太田さんの世界観を表現しています。
一見して特殊な技法による彩色の様に感じますが、作品の彩色方法としての最適解を導いた結果、ごくありふれた技法での彩色に行き着き、それにより、作品へいのちを与えイキモノとしての躍動感や存在感を生み出しています。ベストな形の作り方、ベストな色の付け方、ベストな焼き方が揃った時に、太田さんの作品はいのちを持ったイキモノとして生まれてきます。
太田さんが作り出すイキモノたちは今後、どのような進化を遂げ、人々を魅了していくのかとても楽しみで、太田夏紀から目が離せません。
京都陶磁器会館では使う器だけではなく様々な表現方法を持つ陶磁器の展示も行っております。京都・五条坂へお越しの際は、ぜひ京都陶磁器会館へお越しいただき、京都が育んだ様々な陶磁器をご覧ください。
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