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王地山陶器所 復興、そして未来へ

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丹波陶磁について

丹波という地の風土を感じながら日々製作している陶工の共同体。やきものとしての伝統や窯業地のカテゴリーにとらわれない自由な「器」作りを基本とし、作者の個性という付加価値ではなく、器づくりを通じて工芸のなかに持つ機能性を「丹波陶磁」という名のもとに、より深め、アーティスティックな作業へと昇華させたいと思っています。

 

京都陶磁器会館2Fギャラリーで紹介させていただく王地山陶器所

王地山焼は、江戸時代中ごろの文化文政期(1804~30)、当時の篠山藩主であった青山忠裕(あおやまただやす)がこの王地山の地に築いた藩窯です。  三田藩で青磁焼成に成功した京都の名工、欽古堂亀祐(きんこどうかめすけ)を招いて指導させました。

製品は、青磁・染付・赤絵などの中国風の磁器を模したものが多く、手彫りの土型で素地を型押し成形するなど、繊細かつ高度な技術をもって作られていました。

当時、大名たちの間では、茶器を焼く藩窯を持つことが流行していました。また藩主の社交

や藩内の産業育成などが開窯の背景であったと考えられています。篠山藩や地元の豪商などの

保護もあり嘉永年間(1848~54)の最盛期には幾多の気品ある作品が焼かれていました。が、

明治2年(1869)廃藩置県を目前にして廃窯の運命となりました。

 

現在の王地山陶器所は、廃窯から100年以上の時を経た昭和63年(1988)に、同じ王地山の麓に復興されました。 独特の緑色の青磁、染付、赤絵などの作品を当時の技法を使って製作しています。併設された展示室での展示・販売のほか、百貨店やギャラリーでの作品展も行っています。

 

いまは竹内保史氏と児玉玲央奈氏の二人が陶工として働いています。(写真の作品は竹内保史氏の作品です。)

 

丹波といえば立杭の「丹波焼」土味の作風を思い浮かべますが、王地山陶器所の作品は作風も京焼の技法に近いので、昔から京都との関わりが深かったと考えます。今回、丹波の作品を紹介してくれた加古勝己氏(泉涌寺出身)自身も、京都から丹波に移り住んで、陶芸家として篠山のアートフェスティバルなどに関わっておられます。

 

京都陶磁器会館での展覧会で、篠山のやきものを広く知っていただけるきっかけとなり、また作り手同士の交流ができれば、嬉しいことだと思います。

 

 

<参考ホームページ>

王地山陶器所http://www.withsasayama.jp/ojiyama/index.htm

丹波篠山アートフェスティバルhttp://sasayama-art.com/index.htm

丹波陶磁http://tambatohji.jimdo.com

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