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森里龍生 展

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生き生きとした椿やブドウ、桜…。森里龍生氏の作品からは、草花の伸び行く「命の音」が聞こえてくるような、そんな気がする。深い染付のブルーや、情熱的な辰砂の赤、漆黒の黒など、植物の、生きている証のような色彩の揺らぎが、作品の魅力だと思う。

はんなりとした森里氏の呉須による作品は、いわゆる「ダミ」と呼ばれる地塗りの技術が使われている。まず素地がまだ柔らかいうちに「毛彫り」と呼ばれる、細い針金を用いて細い線で写生をするように植物の輪郭を描き、その後、毛彫りの線の中を呉須で地塗りする “ダミ”の技法とそれを薄めて使うぼかしの技法で作品は彩られる。

そのため、彼の作品には同じ雰囲気のものはあっても、全く同じものは存在しない。すべてonly one。そこがまた、森里氏の作品の大きな魅力である。

今回の展覧会は、初めて森里氏が生まれ育った五条の地での開催となる。五条坂・茶わん坂ネットワーク主催のうつわ男子としても活躍されている森里氏だが、今まで、歴史ある窯元がひしめく清水焼発祥の地・五条での個展には二の足を踏んでこられた。京都陶磁器会館では、普段から彼の作品を展示させていただいているが、洋の東西を問わず大変人気が高い。今回の展覧会はファンの熱烈な期待に応えての満を持しての登場である。

森里氏の「はじまりの音」。彼の魅力を存分にお楽しみいただきたいと願っている。

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