井尻杏那さんは動植物などのモチーフを手びねりで成形し、生命感あふれる作品を作られます。

細部にまでこだわり尽された彼女の作品は、理屈なしに魅力的です。

「ただ単純に見て楽しむことができる、絵本のような世界感」という、まさに彼女の目指すところに至っています。　

しかし、それらは単なる写実的な造形ではありません。

実は制作のきっかけは、ことわざや自分が経験した気がかりな事だそうです。　

理解が難しいものごとから連想ゲームのようにモチーフを引き出し、造形する。　

彼女にとって制作とは、ものごとを探る行為でもあるようです。

本展では、オブジェを中心に器なども展覧いたします。　

井尻さんの、あふれるものがたりの世界をお楽しみ下さいませ。

井尻杏那（いじり・あんな）陶歴

1996年　京都に生まれる

2013年　京都市立銅駝美術工芸高校　卒業

2015年　「わん・碗・ONE展～次代を担う若者の作品展～」 優秀賞（‘18年）

2016年　「花鳥館賞奨学金2016作品展」　優秀賞

2017年　京都精華大学　卒業

　「美術館リ・ボーンに向けて

『市展・京展80年記念展』2016京展」　

　　　　　館長奨励賞

2019年　京都府立陶工高等技術専門校

　修了

作品タイトル

『思考の海』